ライブ・エンタテインメント市場を
変革・発展させ続ける企業でありたい
近年の気候変動、人手不足、円安、恒常的な人口減少に伴う市場縮小の方向性等を見ると、日本のライブ・エンタテインメント市場は大きな変曲点を迎えていると言えます。
人口が減少し、成熟した消費社会の中で豊かな社会を築くためには、規模の経済に頼るのではなく、独自性がある付加価値の高い産業を作っていくことが大事です。そのためには、観光立国化はもちろんですが、文化立国化も大切だと考えます。「日本独自の文化・芸術・エンタテインメントをもっと活性化し、発展させること」で、日本国内の需要だけではなく、海外の需要にも応える、つまり、輸出産業として拡大することが可能となります。この市場は、今後、自動車・IT・半導体等の産業規模に匹敵し、日本の基幹産業に十分なりうるでしょう。そこには、飲食やライブを含むリアルな体験価値の輸出も含まれます。当社は日本にとって重要なこのライブ・エンタテインメント領域を事業として取り組んでいます。
当社は1999年の設立以降、常に業界の本質的な課題を捉え、「顧客とITを強みに変革をし続ける」ことを意識してきました。具体的には、顧客に代わりチケットを取得する「プレオーダー」、中小規模の主催者が公演チケットを当社の顧客に直接販売できるようにした「e+WEBオープンシステム(WOS)」、公演情報の取得から、チケットの予約・決済、入場までをワンストップで実現する「イープラスアプリ/スマチケ」の提供といったイノベーションを通して業界の課題を解決してきました。

さらに現在は、アーティストやIP(コンテンツ)の収益を最大化し、継続的なビジネスができるよう、クラシックの若手ピアニストを中心にエージェント事業を行っています。具体的には、公演の企画制作から、音源の制作流通、物販の企画制作、アーティストプロモーションと、当社の強みである「顧客とIT」をフルに活用し、持続的な活動ができるよう支援しております。同時に、新しい顧客を創造していくため、誰もが気軽にクラシックを楽しめるフェス「STAND UP! CLASSIC FESTIVAL」や、HIPHOPを中心に国やジャンルを越えて時代を象徴するアーティストを集めたフェス「GO-AheadZ」、さらにはネット上で活躍する若手アーティストを中心としたフェス「FAVOY」等の公演も企画実施しております。
最初に述べた通り、現在、ライブ・エンタテインメント市場は変曲点を迎え、多数の課題を抱えています。これらを解決していくためには、単にチケット販売という業態では難しい状況であり、当社が単独で、この変革を進めるには時間もかかり、リソースも不足する可能性があると考えます。そのため、当社は、2024年にソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)のグループ会社となり、新たに「総合ライブ・エンタテインメント企業」として、SMEの持つリソース(コンテンツ・ソリューション・テクノロジー)を積極的に活用し、変革を加速していくこととしました。
ライブ・エンタテインメント産業は、多数の課題を抱えていますが、当社にはその課題の解決を主導していく実績・意志・組織力があると確信しています。当社「イープラス」は、さらにITを強化・活用すると同時に、志を同じくする人や組織と連動し、「ライブ・エンタテインメント市場を大きく変革・成長させ続けたい」と考えます。そして、今後も、国内外を問わず、顧客、業界に大きな貢献をしていきます。それは、ライブ・エンタテインメントを、もっと「いろんな人へ」、もっと「身近に」、もっと「楽しく」、していくことでもあります。
株式会社イープラス 代表取締役会長 倉見尚也